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交通インフラ

IoTでついに実現!?自動運転カー

安全運転支援システムから自動運転へ進化する?
2020年東京オリンピック開催時に自動運転カーを実現しようと日本政府を筆頭に各企業が努力を重ねています。

2017年3月現在では、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルなどの大手自動車メーカーが走行安全・安全運転支援と呼ばれるシステムを実用化しています。 有名な機能としては、アダプティブクルーズコントロールで、前の車との間距離を一定に保った状態で走ることが出来ます。 または自動ブレーキを思いつく方もいらっしゃるかと思います。

先述した自動運転カーは、これらの機能はもちろん、進む、曲がる、止まる、という運転操作すべてをシステムが行うことが出来ます。

自動運転カーの進化を段階的に理解する

SAE Internationalというアメリカの標準化団体・非営利団体が自動運転カーを以下の通り定義しています。

レベル0:運転自動化なし
運転者がすべての運転操作と環境認識を行う
レベル1:運転支援
運転支援システムにより、ブレーキ制御など一部の車両制御をシステムが行う。
その他多数の運転操作、および環境認識は運転者が行う
レベル2:部分的運転自動化
自動運転システムにより、対象物検知や環境判断をシステムが行い車両の運転制御を行うが、運転者の継続的な監視が必要。
緊急時や故障時は運転者が車両制御を行う。
レベル3:条件付き運転自動化
自動運転システムが対象物検知や環境判断を行い車両の運転制御を行う。
緊急時でシステムから運転者へサポート要請があった際や故障時などでは、運転者が車両制御を行う。
レベル4:高度運転自動化
特定の地理、環境、交通状況、速度などの条件の範囲内において、自動運転システムが対象物検知や環境判断を行い車両全ての運転制御を行う。
緊急時にシステムから運転者へサポート要請があった際に運転者が応じられないケースにはシステムが運転を継続することが出来る。
レベル5:完全運転自動化
あらゆる環境において自動運転システムが対象物検知や環境判断を行い車両全ての運転制御を行う。
緊急時においてもシステムが対応し、運転者が車両を制御することを想定していない。

日本政府は、自動運転システムの実現について、レベル2の「自動レーン変更」を2017年に達成することを目標にしており、最終段階となるレベル5の完全自動運転システムについても、2025年までに実用化を目指しています。
参考:内閣官房IT総合戦略室 自動運転レベルの定義を巡る動きと今後の対応(案)
参考:「官民ITS構想ロードマップ2016」

自動運転カーを実現するために必要な技術

高度なセンシング技術とセンサースペックの向上

対象物検知や環境判断を行うためには、カメラやセンサーで物体形状を認識・識別する必要があり、高速で移動する車には、車速に見合った移動ベクトルの検出精度が求められます。
そのため、3Dセンサーや画像認識の進化は欠かせません。
センサーは全天候に対応したものでなくてはならず、また氷点下や高温下においても正常に動作することが求められますし、10年、20年と使用されるため、耐久性の向上も必要となります。

状況認識、状況判断を行う人工知能

走行環境や危険環境に関する膨大な事象をデータ化し、また、各種センサーから入力された情報を基に的確な状況認識と状況判断を行うために人工知能技術の更なる発展が必要となります。

高度で高信頼性の測位・測定技術

2017年現在のカーナビは、以前に比べると非常に精度が高くなってきておりますが、自動運転カーの実現のためには更なる測位・測定技術の発展と信頼性向上が求められます。
目的地まで自動で運行するためには、地図データと衛星・GPS測定技術を用いた位置検出を融合し、さらに現場の状況や道路環境を認識して車両制御を行う必要があります。

IoTとの連携

Fotolia_car.jpgIoTとの連携も必須です。 道路環境はリアルタイムで変化しますので、その変化する情報をリアルタイムに収集する必要があります。
自動運転カーはIoTを通じて、路上に設置される情報発信装置から交通情報を収集したり、クラウド上の天候や路面に関する情報にアクセスしたり、
と車両以外から情報を収集して状況認識の精度を向上させます。
また他の自動運転車両との通信などからリアルタイムに情報を収集する技術の開発も必要です。
外部から悪意を持って自動運転システムに侵入されてしまうととんでもない事故になり兼ねませんので、ハッキングされないためにセキュリティ強化も必須です。

自動運転システムの安全性、信頼性、堅牢性、耐久性の向上

自動運転システムは、何はともあれ安全でなくてはなりません。 そのために、Fail Safe(フェールセーフ)という言葉があります。Failは「故障、失敗」、Safeは「安全、無事」などという意味で、システム設計を行う際には、構成部品の故障や破損、操作ミスや誤作動などが発生しても安全な状態に移行する仕組みを用意しておく、という考え方を言います。
自動運転システムにはこのフェールセーフが必須であり、また車両制御をするシステム(ECUなどのハードウェアから制御するソフトウェアまでシステム全体)は自動車が走行するあらゆる環境に耐えうる高い信頼性と堅牢性、それから耐久性が必要です。

自動運転カーの課題

技術的課題

まずは前項でご説明した技術の進化が必要です。
センサーは半導体企業、システムは自動車部品メーカーや電装メーカー、そしてOEM自動車メーカーのアセンブリ技術の開発といった、各企業の技術的進化が求められます。

法律の見直しや整備

米テスラ社のモデルSで死亡事故がありましたが、現状のレベル1~2では運転者の車両制御が前提にありますので、事故が起きた際は運転者の責任になります。
レベル4、レベル5の自動運転カーが普及し、事故が発生した場合の責任所在はどうなるのか?などについては、これから法律の整備が必要です。併せて保険制度の整備も必要となります。

道路の整備

自動運転を実現するためには、路上に設置される自動運転向け情報発信装置が必要となります。

まとめ

IoTの発展に伴い、画像認識や人工知能、クラウドコンピューティング、そしてネットワーク・セキュリティーなど、自動運転実現のためにはなくてはならない技術の開発が多方面で進められています。
車両制御とIoT技術の発展により、10年後には自動運転カーが広く普及しているかも知れません。

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