色々なIOTの活用事例

私たちの生活をより便利にする様々なIOTの活用事例をご紹介

IOTで病気対策!?

ビジネスのみならず、IoTを活用できる可能性のある範囲は社会システムのあらゆる領域に及びます。
しかし、中でも注目を集める領域の一つが医療です。ビッグデータを利用することによって病気を予防したり、より効果的な治療に結びつけられたりする可能性が示されています。特に、単に長生きするだけでなく健康で活動的な生を長く享受するためのIoT活用は、注目に値するものがあります。

そこで今回の記事では、IoT×医療技術の中でも病気の予防や健康な人生の維持に寄与する可能性のある事例についてご紹介したいと思います。

ウェアラブルデバイスによる生体センシング

近年、アップルウォッチやグーグルグラスなど「ウェアラブルデバイス」と呼ばれる器具が登場してきています。ウェアラブルデバイスは身体に身につける端末の総称で、常に身につけることで血圧や心拍数、体温などをデータとして収集・蓄積します。それを基にして睡眠の質やストレス度、体調の変化を分析して装着者に提示してくれます。

こうした「生体センシング」を突き詰めると、体調不良や病気のきっかけを知ることにつながり、生活習慣の改善や病院の診察につなげて大きなトラブルを防げる可能性が生じます。

これまでも人間ドックやレセプトデータなどの医療データをデータベースとして蓄積・活用する動きは進んできていましたが、24時間365日稼働し続けるウェアラブルデバイス経由のデータをこれに統合することができれば、病気と生活・遺伝・気候などとの関係を分析し、病気の早期発見と予防に結びつけることができるようになります。

「人間の身体」というビッグデータの解析とIoTの可能性

生体データの蓄積にとどまらず、そもそも60兆という膨大な数の細胞から構成される人間の身体そのものを解析する動きも考えられます。コンピューターの演算能力が飛躍的に向上したことで、人間の身体を分析し尽くして病気や各種症状と遺伝・生活習慣などとの因果関係を突き止める方向に、IoTの可能性が存すると言えるでしょう。

例えば、現在アメリカやEU、日本などでプロジェクトが進められているのは、脳神経細胞の解析です。脳には1000億以上の脳神経細胞が存在するとされており、お互いの接続のあり方を分析することで脳神経ネットワークの全貌を解明できると期待されています。解明に成功すれば、そのデータをデータベース内に参照可能なかたちで蓄積させることで、人間の身体と心の病気を予防する医療システム作りに計り知れない発展をもたらすはずです。

IoTを活用した地域医療・介護システムのアップデート

もう少し、その「医療システム作り」にIoTが貢献できる可能性について詳しく説明しましょう。

そもそも、IoTとは、「Internet of Things」の略語。モノ同士がインターネットで接続され、データを相互にやり取りできるのがIoT技術です。
医療においては、個人のウェアラブルデバイス(生体データ)を医療システム内でやり取りすることで、より質の高い医療・介護を実現できる可能性があります。
具体的には、個人単位で生体データを蓄積した先には、その膨大なデータを医療機関や介護施設との間でやり取りし、相互に共有・参照可能なデータベースとして蓄積する道が見えくるということです。

例えば、お年寄りの異常な心拍データが即座に介護施設や救急医療機関に送られることで、いち早く入院や治療などの対処へつなげることができます。
実際に、神奈川県では「未病プロジェクト」と題して体温計・血圧計などに無線通信機能を持たせて、健康的な状態と病気との間にある「未病」に気づくことで健康長寿を実現する取り組みが進められています。

このように、IoTの特徴である「端末同士の相互接続とデータ・分析結果共有」によって、個人を超えた社会レベルでの病気予防システムを構築する動きがあります。
IoTのそもそもの特性を考えると、こうしたシステムを技術的に実現することは不可能ではないでしょう。
技術的なハードルと言うよりも、むしろ立ちはだかるのは現在の医療システムそのものです。
システムを大きく改革する動きになるので、技術革新を支える政治や行政、民間の目的意識の共有と密な連携がカギになると考えられます。

まとめ

IoTを医療分野、特に病気の予防に応用することで、医療や介護の質が大きく向上する可能性があります。個人の生体データを分析することで、その人のちょっとした健康状態の異常にもすぐに気づくことができ、いち早く対処することができるようになります。現在進められている脳神経細胞の解析のように、人間の身体そのものを精緻に分析して結果をデータベースで共有できるようにすることで、人間の健康と病気についてより深く知ることができるようになります。

また、社会レベルでもこうしたデータを共有することで、地域全体で病気の発生率そのものを低下させ、人々の健康長寿に寄与することが期待されます。その際は、IoTの技術的な課題だけではなく、医療や介護のシステムに関与する政治や行政、民間などの連携が大きな課題となるでしょう。

 


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